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公開日:
2025.7.18
すべての子ども達が安全な世界へ。科学とテクノロジーと熱意で社会課題解決へ挑むAiCANの現在と求める人材

Gov2Careerからのご紹介先として、公務員人材を求める民間企業へのインタビュー。
今回インタビューしたのは、ICTとAIで児童虐待という深刻な社会課題に挑む、株式会社AiCAN。「すべての子どもたちが安全な世界」をビジョンに、創業者である代表取締役、髙岡昂太社長に、なぜ同社を立ち上げサービスが生まれ、そして公務員の経験が同社でどのように活かせるのかお聞きいたしました。
ーまず、株式会社AiCANについて読者に知っていただくために、髙岡社長のこれまでのご経歴と、起業に至った経緯についてお聞かせいただけますでしょうか。
髙岡:学部から博士課程まで一貫して心理学、特に臨床心理学を専門に、臨床と研究の両方に取り組んできました。
この分野に関心を持ったきっかけは、高校時代に起きたあるセンセーショナルな児童殺傷事件です。同年代が起こした事件の背景を調べる中で、加害者の成育歴や虐待といった問題に関心を持ち、研究テーマにもつながっていきました。
また、大学時代にバックパッカーとして訪れた東南アジアで、子どもたちが厳しい環境に置かれている状況を目にしました。そうした状況に対して何もできなかったという経験も、この問題への意識を深める一因となっています。
これらの経験から、子育てや家庭環境が抱える問題の根深さを痛感し、特に「虐待」というテーマに焦点を当てていきました。
ー関心を持たれたきっかけがあったんですね。
髙岡:机上の理論だけでは解決できないという思いから実際に児童相談所で虐待対策の業務にも携わりました。家庭訪問をして子どもを保護したり、保護者から厳しい言葉を浴びせられたり、ときには新品のスーツにコーヒーをかけられたり。想像以上に過酷な現場で、職場の同僚が辞めていくという現実にも直面しました。
また、様々な機関との連携が重要だと言われる一方で、実際には「誰が責任を持つのか」とうまく進まないことも多々ありました。一つ一つのケースに対応するだけでは限界があり、仕組みとして変えていかなければいけないと強く感じる経験でした。
その後は、国立研究所の一つである産業技術総合研究所人工知能研究センターで、現場の負担を減らすAIxICTシステムの開発に携わりました。当時、現場の仕事は紙の書類と電話、FAXが中心。ICT化によって業務が劇的に変わることを確信し、技術を広げ民間企業へ技術移転したいと考えましたが、同じ考えで進めていく企業がなかなか見つかりませんでした。
それならば、自分たちでやろう。そう決意して起業したのが、AiCANです。
ーそのような課題意識から生まれたサービス「AiCAN」について、詳しく教えてください。
髙岡:私たちは、ICTとAIを搭載したSaaS(Software as a Service)型のアプリケーション「AiCAN」を自治体向けに提供しています。これは単なるツールではなく、導入から運用までをサポートする伴走型のサービスです。
AiCANがもたらす効果は、大きく3つあります。
業務の効率化:タブレット端末と専用アプリを用いて記録作成など、これまで時間のかかっていた業務をデジタル化し、大幅に効率化します。
コミュニケーションの円滑化:電話や口頭でのやり取りが中心だった情報共有を、アプリ上で円滑に行えるようにします。これにより、経験の浅い職員もチーム全体でサポートされ、安心して業務に取り組めます。
判断の質の向上:そしてAIや科学的知見を用いて、虐待リスクの「見過ごし」を減らすことです。

ー虐待リスクの「見過ごし」を減らすとはどういったことなのでしょうか?
髙岡:まず大前提として、AiCANのAIは危険度を人に変わって自動判定するものではありません。命に関わる倫理的な問題だからこそ、最終判断は人が行うことを前提に設計しています。
AiCANのAIは、職員の「パートナー」として機能します。例えば、ある項目をチェックした際に「この場合、別のリスクも考えられるため、こちらの項目も確認してはどうでしょう? 」といった形で、気づきを促し、調査すべき点を示唆します。
専門家の知見や過去のデータに基づき、人が見落としがちな観点を補うことで、判断の質を高めるのです。これにより、経験の浅い職員でも、専門性高くアセスメントを行う手助けができます。
ーまさに現場を支えるサービスですね。導入自治体からはどのような声が?
髙岡:業務の効率化を実感いただいています。記録作成時間は、主観的なデータを含め、どの自治体も6割以上削減されました。「事務作業に追われず、子どもに会う時間を作れるようになった」という声もいただいています。
また、多忙な現場では、一つのケース対応中に新たな通告が入ることも珍しくありません。AiCANで家庭訪問前に複数職員で集められた情報を共有ができるため、一つ一つのケースに落ち着いて対応できるようになったと評価されています。
効率化で生まれた時間的・精神的な余裕を、より深くケースと向き合うために使っていただけることが、私たちのサービスが子どもの安全に繋がっている証だと感じ、非常に嬉しく思います。
ー導入実績は拡大していますか?
髙岡:2020年度の三重県様を皮切りに、東京都港区、杉並区、港区様、江戸川区、神奈川県川崎市様、兵庫県尼崎市、岡山県など、今年度で約20の自治体に導入いただく予定です。
昨年度の児童福祉法改正で、児童相談所だけでなく、市区町村にも虐待対応が強く求めれた 背景もあり、問い合わせも急増しています。来年度には、導入自治体は倍増する見込み です。
ーすごいスピード感ですね。また、事業の拡大に合わせて、新しいミッション・ビジョン・バリューを策定されたそうですね。どのような想いを込められたのでたか?
髙岡:会社の拡大期にあたり、「何のために、なぜやるのか」という原点を明確にし、共感していただける仲間に加わってほしいという想いを込めました。
私たちは、DeepTechxインパクトスタートアップとして、目的に向かって、泥臭くとも、誠実に、丁寧に進めて行きたいと考えています。AIも技術ありきではなく、あくまで課題解決の手段として用いています。常に現場視点で考え、「論理」と「倫理」を何よりも重んじる。そうした私たちの姿勢を言語化しました。

ーありがとうございます。それでは、採用についてもお聞きいたします。どのような人材・公務員経験者を求めていらっしゃいますか。
髙岡:現在募集しているのは「営業・カスタマーサクセス」と「システムエンジニア」のポジションで、大きく2種のご経験者を求めています。
一つは、福祉現場の経験者です。児童相談所はもちろん、高齢者、障がい者、生活保護、母子保健、教育委員会など、福祉の現場でケースワーカー等の経験を積んでこられた方。現場の課題への深い理解は、自治体に伴走する上で何よりの強みになります。実際に、元・家庭裁判所調査官や看護師など、専門職の経験を持つ社員が多数活躍しています。
もう一つは、自治体の情報システム(情シス)や財政部門の経験者です。LGWANや三層分離、ガバメントクラウドといった自治体特有のシステムや、予算編成の仕組みを理解している方は、円滑な導入に不可欠な存在です。情シス経験者であれば、システムエンジニアのポジションも可能性があります。
ー「営業・カスタマーサクセス」の仕事内容について教えてください。
髙岡:営業は、自治体の課題をヒアリングし、AiCANによる解決策の提案によってご導入・ご契約までを担当します。単なる製品紹介ではなく、現場ごとの課題を言語化し、業務がどう変わるかを具体的に示すことが重要です。
カスタマーサクセスは、導入後の自治体を徹底的にサポートする役割です。ツール提供にとどまらず、業務フローの見直しや研修、データ分析レポートの提出など、密な伴走支援を行います。現場に寄り添い、非常に意味のある児童福祉や児童虐待対応という業務に専念いただけるような組織全体の業務改善を実現する、やりがいのある仕事です。
選考を通じて適性を見極め、どちらかのポジションからスタートしていただきます。ご自身の経験やスキルに応じ、複数のプロジェクトの橋渡しをしていただくことも可能です。
ーAiCANでは、どのような方が活躍できるでしょうか。
髙岡:何よりもまず、ビジョン、ミッションに心から共感してくださる方が大前提です。その上でまずは、課題解決のために自ら考え動ける主体性と、現場と円滑に連携できるコミュニケーション・調整能力は必要です。
さらに、法改正や自治体の方針変更など、状況の変化を楽しみ、柔軟に対応できる力も重要です。これらを満たす方が、20代から50代まで、性別も国籍も関係なく幅広い前職経験 で活躍しています。
―選考過程も教えて下さい。
髙岡:選考は、一次のカジュアル面談を主に私が担当し、その後、部門責任者、役員との面談に進んでいただきます。スタートアップにとって採用は生命線です。だからこそ私が最初にお会いし、私たちのミッションや価値観に共感いただけるかを確認しています。
ーAiCANで働く魅力について教えてください。
髙岡:まず、虐待という未だ世界が解決できていない課題に、科学的アプローチで本気で挑戦できることです。組織は、現場経験者とビジネスサイドの出身者が半々くらいで、互いに学び合える刺激的な環境であり、急拡大する事業の中心で、会社と共に成長できる点は大きな魅力です。
また、子どもの安全を掲げる会社として、社員の家庭環境には柔軟に対応します。お子さんの急な発熱などにも、チームで支え合える文化が根付いています。
ー最後に、今後の展望を教えてください。
髙岡:私たちは、子どもの虐待問題だけにとどまるつもりはありません。虐待の背景にあるDV、障がい、貧困といった関連課題にも事業を広げ、包括的な支援を実現しようと考えています。将来的にはグローバル展開も視野に入れています。
インパクトスタートアップとして、何か解決できたら終わりではなく、企業としての成長にもこだわり拡大していきます。自分たちの市場が成長し、持続的に優秀な人材が入ってくるようにしたいと考えています。
ぜひ、興味がある方は応募お待ちしています。










