転職先企業
公開日:
2024.2.7
「介護事業を通して社会をもっと良くしたい!」〜公務員の経験が福祉の未来を変える

Gov2Careerからのご紹介先として、元公務員人材が活躍しており現在も積極的に採用をしている民間企業へのインタビュー。
公務員から民間企業の社会福祉法人善光会に転職し、同法人からスピンアウトしたシンクタンク「株式会社善光総合研究所」で介護事業のオペレーション改革とDXの推進に取り組む、取締役の前川遼さんと社員の谷明紀さんに、事業内容や今後求める人材について伺いました。
—これまでの経歴についてご紹介ください。
前川:厚生労働省に新卒で入省し約10年働きました。職業安定部門、大臣官房、児童福祉部門などを経て民間企業へ出向、ヘルスケア関係の新規事業の企画も経験しました。
帰任後には現職につながる介護を管掌する部門や、大臣政務官室で秘書官として業務を行い、最後は保育課で課長補佐を務めた後に民間企業へ転職。
まずメガベンチャーでヘルスケア系の企業アライアンスや、会長直下の経団連活動でスタートアップ企業の育成環境・制度を作るプロジェクトなどを経験し、善光会に入社しました。
善光会ではビジネス全般を管掌しつつ政策提言業務なども行っていましたが、2023年4月に同法人の研究所機能の一部を分社化して株式会社善光総合研究所を立ち上げ、現在は同研究所の取締役兼所長という形で事業全般からコーポレートまでの執行を管理をしています。

谷:広島県庁に新卒で入庁し約10年働きました。
総務部門、私学振興部門を経て法務省へ出向し、再犯防止といった観点での事業立ち上げや、国と自治体が連携した政策の実施などを担当しました。また、大臣官房の方での経験も積んで、広島県庁に戻りました。
帰庁後は、法務省経験を活かした政策立案などを経験したのちに退職し、善光会へ入社しました。現在は、介護事業者のDX支援や、メーカーと連携した介護ロボットの開発支援、実証実験の実施運営などを担当しています。
ー介護関連の事業には官公庁時代経験されていなかった中で、善光会に入社された理由は?
谷:自身の行政経験を活かしながらより自由な立場で社会変革を実現していきたいという思いで転職先を探していました。社会変革に携われるかどうかを重視しており、業種に強いこだわりがあるわけではなかったです。
そうした中、善光会は、「介護」という公共性の高い領域で仕事をしていること、業界全体の変革を追求していること、自由に働けそうな雰囲気があることから魅力的に思い入社しました。
ー社会福祉法人善光会、および株式会社善光総合研究所について教えてください。
前川:社会福祉法人善光会は、2007年に東京都大田区に複合福祉施設「サンタフェガーデンヒルズ」を開設したことから事業をスタートさせています。
当時は珍しい、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、障害者施設などさまざまなサービスを提供する国内でも最大規模の施設でした。

ただ、当初から善光会はいちサービスを提供する事業者ではなく、介護業界全体を変革していく存在になっていきたいという思いがありました。このため、積極的なデジタル・テクノロジーの活用、経営の効率化などにも同時に取り組んでおります。
そういった取り組みは、徐々に行政など外部にも注目されていき、自分たちのモデルを介護業界全体に広げていくタイミングで、2017年にシンクタンク機能を有した「サンタフェ総合研究所」を設立しました。
そこで例えば、「SCOP(Smart Care Operating Platform)」という介護事業用のソフト開発、介護ロボットの開発支援、「スマート介護士」という介護業界におけるデジタル人材資格の開発や普及を通した人材育成など、業界全体の発展につながる事業を多数展開していました。
その後、国内ベースだけではなく海外まで見据えてさらに広く展開していく際に、事業規模自体の拡大が必要となり、さまざまな制限のある社会福祉法人から株式会社に研究所機能を移管し、2023年に「株式会社善光総合研究所」を創設しました。
介護業界の改善に取り組むという意味では、善光会の理念である「オペレーションの模範となる」「業界の行く末を担う先導者になる」をいかに体現させていくか、研究所を通して実践しているところです。

ーありがとうございます。そのような事業運営において官公庁との連携は多いのでしょうか?
前川:そもそも介護分野は、介護保険制度における介護報酬や行政による監査など、あらゆる面で行政との結びつきが非常に強いです。
制度の改定など行政のアプローチに合わせて、介護現場の動き方も常に変わっていきます。
だからこそ介護業界全体の改革において、厚生労働省や老健局(高齢者医療や福祉等を所掌する厚労省の内部部局)を始めとした官公庁との関係は非常に重要です。
しかし、私自身も元中央省庁出身だからこそ言えることですが、官公庁側が実際の介護現場での知見やデータは豊富に持っているわけではありません。
だからこそ、自社の介護施設も持つ弊社が、現場の知見や蓄積したデータを官公庁へ還元し、制度設計や改革などあらゆる点において連携をしております。
ー介護現場にも行政にも精通し、両者のハブとなっているという介護業界でも特殊な立ち位置ですよね。
前川:そうですね。例えば医療業界は国立病院などがそのような機能を果たしますが、介護業界の場合はないんですね。
業界全体が行政と距離があることは、改革をしていく上での弊害となります。だからこそ、我々がその点を補完できる役割を果たしたいと考えています。
谷:私も入社前に求職者として善光会を調べておりましたが、介護業界の改革を謳っており非常に特殊な立ち位置にいる会社だと思いましたね。
ー実際の制度改革における実績であれば主にどういったものがあるのでしょうか?
前川:2021年の介護報酬改定については、夜勤で介護ロボットや見守りセンサーをしっかり活用すれば報酬の加算が取りやすくなるという、いわゆる「善光会モデル」が採用されました。
また直近で2024年度での制度改定に関しても、岸田総理や河野大臣も参加するデジタル行財政改革会議の課題発掘対話に弊社代表の宮本が参加し、新たな取組みを進める事業者の1つとして意見を述べております。

ーありがとうございます。
では質問を変えて、善光会・善光総合研究所には元公務員人材は多いのですか?
前川:現在は私と谷の2名です。2024年の4月には、さらにもう1名、公務員出身の人材が入社予定です。
ーそうなんですね。谷さんは入社した当初はどうやって経験のない福祉分野を学ばれていったのですか?
谷:現場オペレーションの理解と制度の理解という両面からアプローチして学んでいきました。制度に関しては、国が出している通知や解説本を読んでいます。
現場オペレーションに関しては、とにかく最初は実際に現場へ足を運んで見て回りました。例えば、善光会の施設を訪問して直接職員の方と一緒に研修を受けたり、介護ロボットを実証する機会に現場へ入ったりしました。
とにかく現場の空気感を直接感じながら知見を深めて行った形ですね。
ー苦労する点もありましたか?
入社当初は民間と行政のカルチャーの違いに戸惑いはしました。行政は事業部ごとの縦型組織で上下関係もしっかりした構成でしたが、民間企業はよりフラットな構造で、上司部下の関係もパートナーに近いように感じました。
そこでのコミュニケーションの取り方や声のかけ方など、細かい点について周囲の方々から助言も多く頂くことで、溶け込んでいけたと思っています。
ー逆に、公務員時代での経験が活きていると感じた点はありますか?
谷:「多様な関係者を巻き込みながら何かを作りあげていく」調整力、各種の法令・制度を理解する力、新規事業の立ち上げといった「ゼロイチ」の力は直接活かされていると思いますね。
ベースとして、求められる能力というのは公務員や民間企業に違いはないと感じますね。
ーありがとうございます。では、前川さんにお聞きしますが、今後善光総合研究所で求めている人材を教えていただけますか?
前川:我々の仕事は公共事業に近い部分があります。ですので、公務員としての経験は大変活かされます。そして、その経験の重要性を踏まえて「新しいことを切り開く」というチャレンジ精神がある方を求めています。
介護事業の経験者という縛りはありませんし、社会貢献というモチベーションがあり、新しいことを行って、根底から変えていきたいと考える方と一緒に働きたいですね。
できるならば、経験としては新しいことに取り組んだ実績のある方がいいです。ご自分でプロジェクトの企画・実行に携わり、失敗や成功に関わらずどれだけ多く新しいことに挑戦したかをアピールできる方が望ましいです。
ー選考する上で、どの点を重視していますか?
前川:述の通り、どのくらい新しい事にチャレンジしたかという点と、そのチャレンジの中で、成功させるためにどのくらい自分で考えて行動したか。
いわゆるPDCAを回して、いかに考えて試行錯誤した経験があるかを重視します。つまり口先だけではなく、自分で考えて動く人材です。
ー最後に、貴法人で働くことの魅力を教えてください。
谷:私の過去の経験から申しますと、公務員になるまでは行政でしか社会を動かせないと思っていました。しかし実際に公務員として働いてみると、制度上の様々な制約があって自由に動けない部分が多くありました。
そうした中、善光会に入社してからは、大きな裁量のもと、社会変革に向けたアプローチを自由にとることができています。
これからの時代、民間企業の自由な発想や行動をもとに社会変革を起こしていく動きは、より当たり前になると思います。
「社会をもっとよくしたい!」という想いと同時に、現場とか関係者の悩みを理解して前進できる方。現場や経営者を含め、色々な立場からの視点をもって改革を進められる方と一緒に働きたいですね。
ぜひ、一緒に社会を変えて行きましょう!










